昔は出産後に胞衣(胎衣)を庭に埋めて、子供の健康を願う風習がありました。

この風習を「胞衣納め(えなおさめ)」と言います。

胞衣を埋める場所を間違えると、子供に災いがあるとされていたので、家相家や方鑑家が方位について助言することがありました。

今回の記事では、松浦琴鶴の『経験精義』に記されているエピソードを紹介します。

 

天保7年(丙申年)の11月に、ある家の婦人が子供を産みました。

この月は、天徳と麒麟が南東に在泊していたので、南東に胞衣を埋めました。

しかし、その後、子供が病を発して、医者に両目が見えなくなると言われました。

そこで、松浦琴鶴のところに相談に訪れたそうです。

琴鶴は胞衣を納める方位が間違っていることを指摘しました。

天保7年生まれの人の本命星は、二黒土星です。

11月の月盤の北西には二黒土星が回座していたので、その反対側の南東は本命的殺の凶方位になります。

また、年盤の南東には一白水星が巡り、月盤の南東には九紫火星が巡っていました。

一白水星と九紫火星はどちらも目という象意があります。

そのため、子供の視力が失われると判断できました。

天徳と麒麟は吉方位とされていますが、琴鶴の方鑑は九星の凶方位を重視するので、このような鑑定になったのです。

琴鶴は胞衣を埋めかえるように助言しました。

その結果、この家の子供の目は治り、健康に育ったそうです。