土砂取りの方位が書かれた古資料

今回は、松浦越後著の『方鑑秘伝書』を紹介します。

この書物は、土砂蒔きという方災解除法が記されています。

方位盤が多く掲載されていて、それらを注意深く見ると、土砂取りの方位の定め方を読み取ることができます。

琴鶴派の秘伝

松浦越後は、方鑑の権威として知られる松浦琴鶴(安永3年‐嘉永3年)の孫弟子に当たります。

琴鶴は、門外不出の秘伝書を多く残しましたが、そのいくつかは、肉筆書ではなく木版で刷られていたので、後に再版されて多くの人に読まれることになりました。

特に、明治時代から大正時代にかけて、独学で家相や方鑑(九星)を学んだ人たちは、琴鶴の影響を強く受けています。

そして、琴鶴が方災を取り除くために勧めていたのが土砂蒔きでした。

九星学の基礎的な知識がある人ならば、琴鶴の方鑑書を読むだけで、概要を理解できると思います。

しかし、私は、実践的な鑑定に興味があるので、理論だけでは物足りなく感じてしまいます。

幸い、私の家の書庫には、琴鶴の孫弟子の松浦越後が書いた土砂取りに関する資料が9年分もあります。

これらの資料のおかげで、松浦流の実践的な鑑定法を理解することができました。

 

琴鶴派の継承

松浦琴鶴には鶴洲という門人がいました。鶴洲は琴鶴の養子となり、松浦幸最と名を改めました。

その後、浪華の家元を、琴鶴の息子の逸成が継ぐと、幸最は京都に出て自分の一門(長生館)を築きます。

その頃、発行したのが『万代不易 方位即鑑』(松浦幸最 選述・松浦琴鶴 閲、天保13年)です。

そして、幸最の門人だったのが松浦越後で、『方鑑秘伝書』の著者です。

 

土砂蒔きの法

松浦越後の『方鑑秘伝書』には、以下のように記されています。

「土砂蒔きの法は、昔からある不思議な習わしである。月々の吉方にある神社や山や川など、清浄な場所の土砂を一升ほど持ち帰り、線香などを焚いて、土砂を清めて、宅地に蒔くとよい。病人がいるときは、病床の下にも蒔くべきである。家運貞祥を招く方法で、これに勝る善法はない。」

江戸時代の家相法は、土気の影響をとても重視します。

鬼門と裏鬼門が恐れられているのも、この2つの方位が土気に属しているからです。

だから、土気による凶害を回避するために、土金兼備の法や土砂蒔きの法が行われていました。

※土金兼備の法については過去の記事を参考にしてください。

→土金兼備の法

 

古資料9年分の複製

越後は年盤と月盤から各月の土砂取りの方位を定めていました。

『方鑑秘伝書』は、江戸時代末期から明治時代初期にかけて毎年発行されていましたが、私が所有しているのは9年分です。

つまり、108か月分の方位盤を見ることができます。

この方位盤は土砂取りの方位の選び方に特化したものなので、松浦越後の意図を理解する
のにとても役に立つと思います。

そこで、これらの資料の複製版を作成しました。また、『万代不易 方位即鑑』(松浦幸最・松浦琴鶴)も複製したので、参考にしてください。

→松浦越後『方鑑秘伝書』9年分の資料