以下、葛野壮一郎著「四隅の張り欠け」の現代語抄訳(要約)です。

 

四隅の張り欠け

下の図のように建物の南東の隅が張り出ているのは吉相で、産業(家業)が発達して、遠方から福が来るとされています。

しかし、建物と宅地が両方とも張り出すのは凶相で、凶暴な子孫が生まれ、災いを招くとされています。

一方、南東欠けの建物は凶相で、主人に誠意がなく、商家の場合、散財が多くなるとされています。

 

南西張りの建物は大凶で、家の財産が減り、病人が絶えず、とくに妻子に災いが多いとされています。

また、下の図のように、南西の欠けが大きい場合、主人の素行が悪く、妻に恵まれないとされています。

ただし、南側や西側が少しだけかけている建物は、疾病の気を排除するので吉相です。

 

北西張りの建物は大吉で、財宝が豊かになるとされています。

住む人が正道を守れば、金銀が集まり、出世するとされています。

また、北に大黒天を祭ると、運気をさらに高めることができるとされています。

下の図のように本宅の北西に離れ座敷がある場合も、北西張りと同じように扱い吉相になりますが、住人の血筋が絶える災難があるとされています。

一方、北西欠けの建物は凶相で、住人の権威や収入が衰微するとされています。

欠けが大きいほど損失が多く、僕婢(奉公人)などのために、思わぬ心労があったり、親族に助けを求めたり、家に厄介者が生まれたりするとされています。

 

北東張りの建物は大凶で、住人が虚弱になるとされています。

宅地と建物の両方が張り出ていると、土気の剋害が強く、主人が若死にしたり、家族に病難が多くなったり、家財や田畑を失い貧窮したりするとされています。

また、下の図のように隣の家の建物のために北東が欠ける家相は、凶相なので避けるべきだといわれる一方で、無病・平和の家相といわれることもあります。

要するに、建物の欠け張りは、宅地における場合とほぼ同様で、様々な説があるのです。

 

松柏軒著『純正家相法』(大正三年)には、家相を以下の三種に分ける方法が書かれています。

・正形によるべきもの(北東・南西)。

・正形に準ずべきもの(西)。

・奇形を尊ぶべきもの(東・南・北・北西・南東)。

 

また、田中元照著『住宅運命観』と『移転運命観』(大正二年)には、以下のような説が書かれています。

・主人位(北東)に故障がある家を避けよ。

・妻位(南西)に故障がある家を避けよ。

・財産位(北西)が欠けた家に住んではならない。

・活動位(南東)に故障がある家を避けよ。

・健康位(東・南・西)を万全にせよ。

このように、最近は時代に適した新しい説明がされるようになってきました。

 

※この記事は、葛野壮一郎著『住宅家相之話 上巻』(高岡書店、大正七年、著作権保護期間満了)の現代語抄訳(要約)です。他の章も公開しているので、ぜひ参考にしてください。

→ 葛野壮一郎著『住宅家相之話』(現代語抄訳)