我が家の書庫には、『方位精要 造命妙訣 鑑命天機鏡』と題された写本があります。

巻末には「元治二年」「鳴鳳漁人 筆述」「伝授 鳴鶏 高倉完道とのへ」と記されています。

私は、これを見たとき「多田鳴鳳の門外不出の奥義書だな」と推測しました。

多田鳴鳳は、土御門家の直弟子とされる人物なので、彼の奥伝はとても貴重です。

しかし、多田鳴鳳が鳴鳳漁人を名のっていたという話は聞いたことがありません。

また、多田鳴鳳に鳴鶏という弟子がいたという記録も残っていませんでした。

だから、私はこの写本を読まずに、長い間、放置していました。

 

でも、最近、書庫の整理をしていた時に、この写本を手に取り、パラパラとめくっていたら、面白いものを発見しました。

写本の裏表紙の内側が隠しポケットのようになっていて、そこに領収書が入っていたのです。

 

領収書には、「多田鳴鳳著」「方鑑精要 造命妙訣 鑑命天機鏡」と明記されていました。

どういうことかというと・・・

私が持っている写本は、営利目的の業者によって書き写されたものなので、写本作成時の領収書が残っていたのです。

この領収書の記述によって、『鑑命天機鏡』の著者が多田鳴鳳である可能性が高まりました。

そこで、この写本を読んでみたのですが、内容的には多田鳴鳳流の方鑑書と言ってよさそうです。

たとえば、以下のような記述があります。

「造命宝典ノ深旨ヲ補成シ自家学徒ノ高弟ニ授ク」

つまり、『鑑命天機鏡』は、『造命宝典』を補足したもので、門人の中でも特に優秀なものだけに伝授された奥義書だということです。

『造命宝典』は、多田鳴鳳の名著ですから、『鑑命天機鏡』の著者も、多田鳴鳳と考えるのが妥当と言えそうです。

 

なお、佐々木学建築研究所の蔵書、『方位極秘 天機妙訣 造命宝典』(多田鳴鳳)と『方位精要 造命妙訣 鑑命天機鏡』(鳴鳳漁人)を収録した複製本はアマゾンで購入できます。

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