お砂取りとは

「お砂取り(土砂撒き)」は、鬼門・暗剣殺などのあらゆる方災を解除できるとされる古術です。

この古術は、中国の暦書をルーツとしています。

日本では江戸時代に広く知られるようになりました。

お砂取りの方法

お砂取り(土砂撒き)の方法は簡単です。

吉方位の神社で清浄な砂(土)をもらい、家の敷地内に撒くだけです。

神社から無断で砂を持ち帰るのは良くありません。

砂を掘ることを許可している神社や、袋に入れて砂を配っている神社を利用します。

もし、マンションに住んでいる場合、部屋の中で大切に保管するだけでも、効果があるとされています。

お砂取りの進化

中国の古法では、天徳・月徳・月空などの吉神の方位が用いられていたようです。

しかし、わが国では、松浦琴鶴(江戸時代の方鑑の権威)によって九星の吉方位が考慮されるようになりました。

ただし、琴鶴の手法は、伝統的な吉神凶殺と九星の両方を用いていたため、方位の選び方が複雑でした。

※吉神凶殺によるお砂取りについては、過去の記事「松浦流 土砂蒔之法|土砂取りの方位に関する資料」を参考にしてください。

 

その後、明治時代になり、尾島碩聞が独学で琴鶴の手法を研究して、九星の「本命生旺」(相生と比和のこと)は天徳や月徳などの吉神に勝ると考えるようになりました。

そして、お砂取りの方位は九星に特化した手法によって選ばれるようになったのです。

この記事では、尾島碩聞の『方鑑大成』(明治21年)を参考に、お砂取りの方位の選び方を解説します。

お砂取りの方位の選び方

お砂取りには、本命星と相生・比和の関係にある方位が選ばれます。

ただし、五黄殺・暗剣殺・本命殺・本命的殺・歳破・月破・本命星相剋の凶方位は除かれます。

 

たとえば、四緑木星生まれの人が2017年の8月にお砂取りに行くとします。

まず、年盤と月盤の吉方位と凶方位をチェックします。

[吉方位]

相生:本命星と相生(木生火、火生土、土生金、金生水、水生木)する星です。

比和:本命星と同気の星です。ただし、同星は含みません。(四緑木星の人にとって三碧木星の方位は吉方位になりますが、四緑木星の方位は吉方位になりません。)

[凶方位]

五黄殺:五黄土星が回座する方位です。

暗剣殺:五黄殺の反対の方位です。

本命殺:本命星が回座する方位です。

本命的殺:本命殺の反対の方位です。

歳破:年の十二支の反対の方位です。

月破:月の十二支の反対の方位です。

※尾島の手法では日破は重視されません。

 

これらを、2017年8月の年盤と月盤に書き込むと以下の通りです。

 

上の2枚の方位盤で吉方位が重なるのは南東です。

ですから、南東にお砂取りに行くのが適切ということになります。

 

今回の事例では、吉方位がすぐに見つかりました。

もし、吉方位が選びにくい場合は、年盤が本命殺または相剋の方位であっても、月盤と日盤が吉であれば、お砂取りが可能です。

尾島は、月盤の吉方位を最も重視していたからです。

2017年8月の場合、年盤の北西が相剋になっていますが、月盤が吉方位なので、土砂取りが可能ということになります。

ただし、今回は、年盤と月盤に共通する吉方位があるので、北西は選びません。

 

さて、つぎにお砂取りに行く日を決めます。

日盤をチェックして南東が吉方位になる日を選べばよいだけです。

一番簡単なのは月盤と日盤の九星配置が同じになる日を選ぶ方法です。

2017年8月は二黒中宮なので、九星カレンダーで8月の二黒日を探します。

たとえば、24日が二黒日になっています。

ですから、四緑木星の人は2017年8月24日に南東の方位にある神社に、お砂取りに行けばよいということになります。

 

※お砂取り(土砂撒き)は土(砂)を動かすので、土用の期間に行うのは良くないとされています。

おわりに

今回は、お砂取りに行く年月が決まっていることを前提に、吉方位の選び方を解説しました。

しかし、今は、お砂取りができる神社が限られているので、先に神社を決める場合も多いと思います。

その場合、まず、月盤で目的地が吉相になっている月を選んで、年盤の凶方位をチェックします。

目的地が決まっている場合の吉方の選び方は、過去の記事「九星術の古法「方位取り」|吉日を選ぶ5つの手順」が参考になるかもしれません。