今回は、杉野五堂の『増補 易と家相』(明玄書房・昭和36年)についてお話しします。

 

杉野五堂は、真の家相法は通風と採光が人間に与える影響を法則化したものであると考えていました。

そして、家相の吉凶を九星学や陰陽五行説で判断する人たちを、無学者であると批判しています。

 

ですから、この本で九星学や五行説に基づいた家相学を学ぶことはできません。

しかし、杉野五堂は、家相や易に関する古文書を多く収集して研究した人物なので『増補 易と家相』には、興味深い記述がいくつかあります。

伝統的な家相学を研究している方は、一度目を通すと良いかもしれません。

 

たとえば、この本には家相関連の古文書の一覧が掲載されています。

稀少な書物もあるので、研究調査の参考になります。(→杉野五堂の文献一覧

 

また、土御門派の家相法に関する記述もあります。

杉野は、土御門卿の直弟子の多田鳴鳳が書いた『洛地準則』について、「土御門家に古来より伝わった珍本秘書は、山名細川の兵乱の際逸失され、その後同家に伝えられてあるものは明時代の俗書であって、何等珍本でも秘書でもない」と述べています。(その根拠として、長井金風翁の著書を引用しています。)

 

私は、杉野五堂の見解に賛同しているわけではないのですが、『増補 易と家相』は読む価値があると思います。